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Eternal Mirage(23)

「ただいま・・・」
 肩をおとしたリューディーが帰宅する。
「その様子だと全部クホったか」
「過剰なんてするもんじゃないな。お前さんが名声狙わないのがよくわかったよ」
「だろ? SE代だってばかにならないし、本当はシル・クスが稼いでこないとまともにできないし、他にもSEする代物がたくさんあるんだし、今は資金稼ぎが急務だわ」
 工房の椅子に腰を下ろしたセラフィーがお手上げのポーズをとる。
「この際女所帯から援助受けてから挑戦してもいいんだけどね。でも俺のポリシーに反するからそれだけは避けたい」
 セラフィーはそう言うと、胸ポケットからタバコを取り出し吸い始めた。そして何か考え始める。
「SEでクレイモアにスロットつけてそれをさらに過剰するとしたら、・・・最低でも10本はいるな」
「10本で足りるのか?」
「お前さんの運しだい」
「厳しい事言うな・・・」と苦笑いするリューディー。それもそのはず、男所帯の装備類で過剰されてるものは数少ない。
 事実、セラフィーの作成した武器にしろ狩りで得た装備で過剰が成功しているものはほぼない。あるのは過剰された武防具を買ったものぐらいだ。
「いっその事、お前、転生したら?」
「ごほっごほっ・・・」
 リューディーの一言にタバコでむせるセラフィー。確かにセラフィーが転生してホワイトスミスになれば、少なくとも精錬で資金はかからない。
「お前も無茶言うなぁ・・・」
「お前ほどじゃないけどな」

 その頃女所帯では・・・。

「中型特化クレイモアねぇ・・・」
 頬杖をついてル・アージュを見るクリシュナ。
「・・・で、私にスケワカカード出してこいと?」
「そうじゃないけど、あればいいなぁって思ったの」
「ふーん」と言いながらその視線の先にはネリスがいる。気配を感じたネリスは当然の事ながら猛烈な勢いで首を横に振り続ける。
「セラフィーを連れて行ければ後が楽なんだけどねぇ」
 クリシュナは背伸びするとホットミルクを飲み干す。
「確かに今後色々とカードが必要になるから考えてもいいんだけどね。中型特化ないのはあんただけだからねぇ・・・。ちょっと考えさせてもらうわ」
 そういって居間を立ち去るクリシュナであった。
「そういえばフレアは?」
「フレア姉ならモスコビア行ったよ」
 ル・アージュの質問にネリスが答える。
「何故にモスコビア・・・?」
「パンケーキ習うって言ってた」
「へぇ・・・。狩りじゃないんだ。・・・でヴァーシュは?」
「ヴァーシュ姉なら寝てるよ」
 肩をおとしため息をつくル・アージュ。自分だけ中型特化装備がないのが少々もどかしいのか、視線がどうしてもネリスに向けられる。
 ヴァーシュはトライデント、ネリスにはチンクエディア、クリシュナにはチェイン、そしてあまり狩りに行かないフレアにはアーバレストと中型特化があるなか自分だけ特化がないのが悔しいようで、無言で自室へと向かうのであった。

  by lywdee | 2009-06-02 16:12 | Eternal Mirage

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