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Eternal Mirage(104)

 粉雪舞うプロンテラ。街にはクリスマスの装飾が施され、露店街を行きかう人々の表情は明るい。
 そんな中、ネリスとフレアは食材の買出しのため、露店街を横切っていた。
「もうじきクリスマスかぁ・・・」
「今年ももうそんな時期になりましたね」
 はずまない会話。ネリスはフレアとシル・クスの性格はきっと一緒だと思った。でもフレアの方が女所帯の中ではそこそこ話しかけてくれるだけ、シル・クスよりましだと感じていた。
 そしていつものように食材を買い込み、カートに乗せて女所帯へと帰る道すがら、露店をチョコチョコとのぞいていく。こんな時、大半出会うセラフィーが今日に限っていない。まぁいたとしても用事はないのだけれど・・・。
「ネリス様。早く家に戻りましょう」
 生ものも買っているので鮮度を気にするフレアがネリスをせかす。するとネリスも諦めたのかてくてくと家路へと戻る。
 女所帯につくとフレアはさっさと食材の整理を始める。ネリスはネリスで寒かったのか暖炉の前にへばりつく。
「ふぁぁぁぁぁぁぁあ・・・、2人ともおかえり」
 あくび交じりで階段を下りてきたのはル・アージュだった。
「ルア姉ただいま」
「ル・アージュ様が起きられたのでしたら今から昼食を作りますね」
 食材の整理が終わったフレアがエプロンをつけて颯爽と厨房について料理を始める。
「ルア姉、ヴァーシュ姉は?」
「あぁ、ヴァーシュならオーク村の方じゃない? 将来的に私もそこに行き着くと思われるけど、装備が整わないと厳しいわね」
「そうなんだ・・・」
 狩場の選択肢の多い2人の従姉妹に対し、狩場の選択肢がないネリスはちょっとだけ嫉妬していた。でも行き着く先は龍の城のネリスにとっては贅沢は言っていられない。
「ただいま」
 噂をすればなんとやら。ちょうどそこに帰ってきたばかりのヴァーシュがいた。
「おかえりヴァーシュ。もうじき昼ごはんよ」
「そうなんだ。じゃあさっさと着替えてくるわ」
 クルセイダーの鎧を身に着けたままヴァーシュは2階の自室に急いだ。
「ヴァーシュがパラディンになったら、私も本格的に転生目指さないとな・・・」
「出来上がりましたよー」
 フレアの声に食卓につくル・アージュとネリス。遅れること数分、ヴァーシュも食卓についた。
 用意されたジャムパンケーキとホットミルク。それを3人の食卓に並べ、フレアは厨房のいつもの席に着く。
 和気藹々と会話のはずむ食卓の3人。話題はもっぱらクリスマスの事ばかりである。

 食事が済むと今度はお風呂の用意を始めるネリスたち。じゃんけんで決まった役割はヴァーシュが薪割り、ル・アージュが風呂焚き、ネリスが湯加減の調整だった。
 日が落ちるのも早くなったこの頃、クリシュナとルシアの帰ってくる時間もだいぶ早くなった。この2人が帰ってくると、だいたいすぐにお風呂に直行であるからネリスの声にル・アージュも火熾しに余念がない。
「ルア姉! もういいわよー!」
 浴場からのネリスの声にやっと一息つくル・アージュ。ヴァーシュとともに家の中に入ったら、もうそこには下着姿のクリシュナとセージの衣装のままのルシアが居間に立っていた。
「叔母様たちおかえりなさい」
「ただいま。じゃあ早速風呂に入ってくるわ」
 ルシアを引きつれ浴場へと向かうクリシュナ。厨房では、無言でチャンピオンの服を洗っているフレアがいた。

 一方、男所帯はというと・・・。

「リューディー、今一番何がほしい?」
「なんだいきなり・・・」
 食卓を囲んだ二人がなにやら話し込んでいた。
「そーだなー・・・、サンタポcが3枚かな?」
「エレメンタルソードにでも刺すのか?」
「ああ」
 渚 レイの作ったカレーを食べながら淡々と話す2人。
「ところでレイはどうした?」
「さっき教会から連絡受けて大聖堂へと行ったはずだが?」
「あ、そう」
 男2人で華もない会話が続いたが、話題はふとシル・クスの話になってきた。
「シル・クスが帰ってきたんなら奴に頼んでみたら?」
「シル・クスにか? なんか悪い気がするなぁ」
「うちじゃお前さん以外カード運あるのシル・クスぐらいだろうよ? まぁ相場次第じゃ買ってもいいがな」
 食べ終えた食器を洗い始めるリューディー。男所帯は基本的に自分の食器は自分で洗うのが常である。
 そして数十分後、大聖堂に行っていた渚 レイが帰ってくる。
「ただいま戻りました。夕食の方はみなさんお済みですか?」
「ああ、食器も洗い終わったよ」
 リューディーがロイヤルガードの鎧を脱いでいく中、レイは遅い晩御飯を食べ始めていく。するとセラフィーはやおら立ち上がり風呂の準備をすると言って家を出て行く。
「湯加減でもみてやるか・・・」
 リューディーも鎧を片付けると浴槽へと向かっていく。男所帯ではさも当たり前のようだが、こうして毎日が過ぎ去っていく。
「明日も無事に迎えられますように・・・」
 渚 レイの祈りは果たして届くのであろうか・・・?

  by lywdee | 2010-12-21 15:00 | Eternal Mirage

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