Eternal Mirage(4)

 その日、ヴァーシュはプロンテラにあるとある建物の前で右往左往していた。
(どうしよう・・・。やっぱりやめようかな。でもここまで来たんだし・・・)

 そして時間が経つ事数時間後・・・。

「ただいま・・・」
 なかば恥ずかしげな声とともにヴァーシュが帰宅する。リビングにはル・アージュ、ネリス、フレアの3人が談話していた。
「おか・・・」
 帰ってきたヴァーシュを見て3人は絶句した。
「どうしたのヴァーシュ?!」
 最初に声を発したのはル・アージュだった。ネリス、フレアの二人は驚いた表情のまま言葉が出ない。
 それもそのはず。帰ってきたヴァーシュの見事な銀髪が、真っ青になっていたからだ。
「やっぱり・・・、変かしら?」
 ヴァーシュは恥ずかしいのか中々家の中まで入ろうとしない。
「いいから入ってきなさいな」
「あっ・・・」
 恥ずかしがっているヴァーシュを強引に中に連れ込むル・アージュ。
「朝から様子が変だったと思えば、髪を染めに行ってたのね」
「うん・・・」
「イメチェンですか? 似合ってますよぉ」
 ネリスがヴァーシュの隣に座り尋ねる。
「やっぱり親子ですね。お母様によく似ていらっしゃいますわ」
 フレアは微笑んでヴァーシュを見ている。
 それでも、やっぱり恥ずかしいのかヴァーシュの顔が紅潮している。
「でも、染めに行くなら一言言ってほしかったわ。急にやられるとびっくりするじゃない!」
「ごめんなさい」
「でもホント叔母様にそっくりだわ」
 頬杖をついてル・アージュがまじまじとヴァーシュの髪を眺める。
 ヴァーシュも、まさかここまで言われるとは思っていなかったようで、顔はもうリンゴのように真っ赤になってうつむいていてしまった。

 そして一週間後・・・。

「・・・で、結局元に戻したわけね?」
「うん・・・」
「ま、ヴァーシュは銀髪の方が似合ってるわよ」
 バンっとヴァーシュの背中を叩くル・アージュ。
 青く染めてた時よりも、心なしかヴァーシュの表情は明るい。
「そういえば倉庫の装備、全部受け渡し終わったのかしら?」
「ネリスが言うには終わったらしいわよ」
 露店街を歩く二人。プロンテラ中央市場はいつにもなく活気にみちている。
「最近露店増えたんじゃない?」
 ル・アージュが露店を見てはヴァーシュに問いかける。
「移民が増えたって事は聞いてるけど、そのせいじゃない?」
 ヴァーシュは食材を抱えたままル・アージュの後を追う。
「まぁ、賑やかな事はいい事だわ」
「そうね。さぁ、帰りましょ」
 二人は露店街から路地を抜け、帰路につく。
 こうしてヴァーシュの髪染め事件の幕は下りたのである。
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  by lywdee | 2009-01-20 14:36 | Eternal Mirage | Comments(0)

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