Eternal Mirage(11)

 とある昼下がり。ル・アージュは寝巻き姿のまま二階から降りてきた。
「ルア姉おはよう」
 スパノビのネリスがパンを食べながらル・アージュの方を向く。
「おはよう、って言ってももう昼か・・・。叔母さんとヴァーシュは?」
「叔母さんはたぶんスリーパー狩りだと思う。ヴァーシュ姉は廃鉱って言ってたよ」
「いいねぇ・・・、狩場の選択肢がある二人は・・・」
 ル・アージュはそう言うと、ネリスの対面に座り持っていた櫛で長い髪を梳かし始める。
(むー・・・、さすがに伸びたな)
 後ろ髪を目の前まで持ち、その後目にかかるほど伸びた前髪をピンとまっすぐ伸ばしてみる。長さ的にはネリスと同じくらい伸びているのがわかる。
「フレアー、いるのー?」
 ル・アージュが叫んでみると奥からエプロン姿のフレアが現れる。どうやら一階を掃除してた様子だ。
「何でしょうか?」
「悪いけど髪切ってもらえる? さすがに伸びたわ」
 伸びた後ろ髪を持ちひらひらと見せるル・アージュ。その様子を見てネリスが「えー、切っちゃうのー?」ともったいなさげに言う。
「どれくらいお切りになります?」
「いつもと同じくらい。ポニーテールになればいい」
「わかりました。今準備をいたしますので少々お待ちください」
 そう言って自室に向かうフレア。
「どうして切っちゃうの? ヴァーシュ姉みたいに伸ばしたらいいじゃない」
「アタシが髪伸ばすとあんたと一緒になっちゃうからよ」
 皮肉を込めてル・アージュが言う。親戚筋だけあって顔立ちも似てる二人。とりわけ同じ赤髪だけあって並ぶと姉妹のように見えなくも無い。
 そうこうしているうちにフレアが奥から戻ってくる。右手にはハサミとシーツが、左手にはほうきが持たされている。
 そしてシーツをル・アージュの首にまき、彼女が持っていた櫛も受け取り髪をすき始める。

 数10分後・・・。

「これでいいかと思われます」
 鏡をみながら出来具合を確かめるル・アージュ。前髪も後ろ髪も丁度よい長さになっている。
 すかさずポケットから結い紐を取り出し後ろ髪を束ねる。
「さすがフレア。また伸びたら頼むわ」
 いつもの髪型に戻り上機嫌のル・アージュ。それを見てネリスも自分の前髪を気にしてみる。
「ネリス様もお切りになります? 私としては一緒にしていただけると掃除が楽なのですが・・・」
「うん・・・、前髪だけお願いする」
 ル・アージュと入れ替わりに椅子に座るネリス。そしてル・アージュ同様首にシーツが巻かれる。
「後ろもそろえておきますね」
 そう言ってフレアはネリスの髪をすき始める。
 器用さでは女所帯で一番のフレアの手さばき。髪を切るのもお手の物だ。ものの数分でネリスの髪も切り終わる。
 フレアが二人の切った髪をほうきではいていると外からペコペコの鳴き声が響く。どうやらヴァーシュが帰ってきたようだ。
「ただいまー」
「おかえりヴァーシュ姉。戦利品は?」
 さすがお財布係り。ヴァーシュが帰ってきた事より戦利品に注目するあたり、家計を気にするほうが先らしい。
「今日はそんなに出なかったわ。それでも倉庫に預けてあるから、後で清算しといて」
「はぁーい」
「あれ? 二人とも髪切ったの?」
 床に落ちている赤い髪を見ながらヴァーシュは言う。
「結構伸びたからね。ちょうどいいからフレアにさっき切ってもらったところ」
「ふぅん。・・・で叔母様は?」
「まだ帰ってきてない。どうせスリッパ狩ってるに違いない」
 ため息混じりにル・アージュが言う。
 そして、クリシュナが帰ってきた頃にはもう陽が落ち始めた頃だった。
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  by lywdee | 2009-03-10 11:57 | Eternal Mirage | Comments(0)

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