Eternal Mirage(14)

「叔母さん、話があるんだけど・・・」
 その日珍しく家にいるクリシュナを捕まえて居間の椅子に腰を下ろすル・アージュ。その顔は真剣そのものだ。
「もしかして狩場の話? フェイヨンダンジョンにヒェグンがいたんだってね。悪い事したわ」
 ヴァーシュから話を聞いていたクリシュナは、申し訳なさそうに笑って椅子に座る。
「そうなると何処がいいもんかねぇ」
「フェイヨンダンジョンでもいいの。ただ・・・」
「装備の問題? だったら軍資金溜まり次第なんとか揃えてあげるわよ?」
 クリシュナの言葉に無言で首を振るル・アージュ。それを見たクリシュナはどうしたものかと困惑顔だ。
「単刀直入に言うとね、叔母さんの木琴マフラーを貸してほしいの」
 ル・アージュの発言に面食らったのか、クリシュナは目を点にしてル・アージュを見た。
「貸すのはいいけど、それでかわせるの?」
「わかんない。でも試してみたいの」
 うーんっと腕を組んで考え込むクリシュナ。貸すのはいいが、そうなると今度はクリシュナ自身が狩りに行けないことをさす。
 今現在、装備を整えるため男性陣とともに資金稼ぎを計画しているだけに、スリッパ狩りに行けないのは正直辛いところである。
 女性陣に託された軍資金を崩せば木琴マフラーぐらいは買えなくもない。ただ、同じ装備をわざわざ二つも用意するのは妥当ではない。むしろ新しく一つ先ん出た装備を用意するほうが得策であるとクリシュナは思ったが、ル・アージュが今行ける狩場を考慮すると、装備を買い揃えるよりマシな狩場があることをクリシュナは思い出した。
「ねぇ、ル・アージュ。あんた槍は扱えたわよね?」
「えぇ・・・、それがなにか?」
「ジオ狩りよ。ジ オ 狩 り」
 そう提案するクリシュナ。確かにジオグラファーは槍さえあれば無傷で倒せるMobである。しかもヴァーシュがよくそこへ狩りに出ていた時期もあった。クリシュナ自身もロングメイスを持ってヴァーシュと狩りをしていた経験がある。装備が揃っていなくても、対応する武器さえあれば無傷で済む上に回復剤もそんなに持っていかなくても済む狩場なのはル・アージュも知っている。
「まぁずっとジオ狩りしてろとは言わないわ。たまには私の木琴マフラー貸すから交互に試してみるといいさね」
 クリシュナの言葉を受けて、ル・アージュも満足とは言わないが無言でうなずいた。
「私たちが資金面をどうにかするし、装備もその後なんとかするからさ、あんたは今できることだけ考えて地道に自力を上げなさい。新しい狩場探索には私も考えとくさね」
 クリシュナは腰を上げル・アージュの肩をポンっと軽く叩く。
 ル・アージュもそれに答えて軽く笑みを浮かべる。出来る事からするというからには、今はクリシュナを信じるしかない。
「装備待ちというのも歯がゆいかもしれないけど、私たちはあんたたちのことも充分考えてるから、今はある意味我慢の時さね・・・」
 ル・アージュを諭すクリシュナが微笑む。
「時間はかかるかもしれないけど、協力はするから、装備の方は任せといて」
「ありがとう叔母さん」
 ル・アージュに向けて親指を立てた拳を突き出しウィンクをするクリシュナ。ル・アージュはそれに答えて同じように親指を立てた拳をクリシュナの拳にコツンとあわせた。
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  by lywdee | 2009-03-31 11:26 | Eternal Mirage | Comments(0)

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