Eternal Mirage(17)

 カンカンカンと金属の精錬される音が辺りに響き渡るなか、セラフィーは汗をぬぐいながら携帯溶鉱炉で鋼鉄を作っていた。工房の中は溶鉱炉の熱気でかなり暑い。
「・・・で、今回は何を期待してるんだ?」
 一段落ついたところでセラフィーは、工房の片隅に置かれた椅子に座るル・アージュを見た。
「いや、ドラゴンスレイヤーまだかなぁと思って・・・」
 申し訳なさそうにル・アージュが答える。
 セラフィーはため息一つついて工房の片隅に置かれた数本のドラゴンスレイヤーを眺める。
「まだSEもしてないし、何本成功するかわからんからまだ期待されても困る。もちろん成功しても精錬でどこまで強化されるかもわからんから受け渡しはまだまだ先だぞ」
 そう言うとセラフィーは胸ポケットからタバコを一本取り出し火をつける。
「まぁ気持ちはわからんでもないが、コレばかりは資金面がなんとか都合つかんと急かされても困る」
 あくまで現実主義のセラフィーの言葉にル・アージュは肩を落した。
「今はみんな資金調達のため狩りしてるようなものだ。俺だって狩りはしたいが装備がなんともいえない。だから我慢もする。おまえさんだって装備が揃わなきゃ狩りにいけんだろうよ?」
 タバコの煙をくゆらせながらセラフィーはまた携帯溶鉱炉を準備し石炭をくべる。
「まぁなんだ・・・、次のSEはドラゴンスレイヤーにしてやる。だからしばらくの間は我慢してくれ」
 そういうとセラフィーはまた鉄を溶鉱炉に入れ鋼鉄を作り始めたのであった。

 数時間後

「そう、次はル・アージュのドラゴンスレイヤーをSEするのね」
「うん、あまり期待せんでくれと言われたけどね」
 フレアが作ったホットミルクを飲みながらル・アージュは、ヴァーシュのゲイボルグを見ながらため息をこぼした。
「龍特化できれば私だってアビスとか行けるのになぁ・・・」
「ギルド狩りの話? でもただのドラゴンスレイヤーじゃ限界あるんじゃないの?」
「そこはヴァーシュ次第じゃない。カード期待してるのよ」
 ル・アージュがそう言うとヴァーシュは力なくわらった。
 今現在、女所帯でカード運があるのはクリシュナとヴァーシュだけである。ル・アージュは今の今までカードというものを出した事はない。
「欲しいものはいっぱいあるけど、みんなお金かかるのよねぇ・・・」
「たとえば?」
「中型特化クレイモア」
「たしかにお金かかるわね」
 ル・アージュの言葉に苦笑いするヴァーシュ。クレイモアもSEしなければ特化はできない。ヴァーシュ自身が持ってる中型特化トライデントは、過剰されたトライデントがたまたま露店で安く売られていたので、クリシュナがスケルワーカーcを大量に出した事で出来上がった代物だ。
 だがクレイモアとなると話は別物だ。第一露店で売られてもいない上にSEしなければ手に入らない。さらに過剰となるといくらかかるかわかるはずもない。
「何かとお金かかるなぁ・・・」
「叔母様とシル・クスだっけ? 二人のスリーパー狩り次第なのよねぇ」
 ヴァーシュはホットミルクを飲みながら苦笑いした。
 ル・アージュの苦難はまだまだ続きそうである。
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  by lywdee | 2009-04-21 14:37 | Eternal Mirage | Comments(0)

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