Eternal Mirage(19)

 キン! カン!  ヒュン! ブン!

 早朝のプロンテラの一角で槍と両手剣のぶつかりあう音が響き渡る。
「スピアクイッケン!!」
「ツーハンドクイッケン!!」
 ヴァーシュとル・アージュの体から同時に黄色いオーラが身にまとわれる。そして巧みにペコペコを操りながら、二人の武器がぶつかり合うごとに甲高い音が街中に響き渡ること数分、息が切れた二人はペコペコを降りて隣同士座り込む。
「やっぱ槍相手だと戦いづらいわ」
「私だってやりづらいわよ。ル・アージュの方が私より速いもの・・・」
 汗だくの顔を二人はタオルで拭きながら、フレアが用意した水筒を二人でまわし飲みをする。
 二人はよく朝から稽古としょうし、街中で剣と槍の練習をしているのである。
「最近狩りしてないから体が鈍ってるなぁ」
 そういうとル・アージュはクレイモアを片手で振りまわしてみた。感触的にしっくりこない感じがした。
 一方、ヴァーシュの方は腕や身体をクンクンと匂いをかいでいた。
「汗臭い・・・」
「あ、私も・・・」
 この辺はやっぱり女の子である。匂いには敏感なご様子だ。
 二人は休憩を済ませサッとペコペコにまたがると家路へと急いだ。
「フレアー、お風呂準備できてるー?」
 厩舎にペコペコをつなぎ、あらかじめ用意されていた餌をペコペコの前に差し出し、二人はさっさと家の中に入る。
「お姉たち汗くさーい」
 開口一番ネリスが汗だくの二人の匂いに鼻をつまむ。
「早朝訓練? いいことじゃない」
 クリシュナは笑顔で二人をみる。
「湯浴みの準備は出来ていますわ。お二方温かいうちにお入りくださいな」
 フレアは二人にバスタオルを渡すと厨房の方へと足を向けた。
 ル・アージュとヴァーシュはそれぞれの鎧を脱ぐと風呂場へと向かった。じっとりとシャツが気持ち悪いらしく二人揃って脱衣所で服を脱いで浴槽のお湯を身体にかける。
「先風呂にはいるわね」
 そう言ってル・アージュが浴槽に入る。少々温度が高いがそれなりに気持ちいい。
 ヴァーシュは髪結いをほどき、ポニーテールにして髪結いを止めて身体を石鹸で洗い始める。
「背中流してあげるよ」
「そう? じゃあお願いする」
 浴槽から上がったル・アージュが、ヴァーシュのタオルを取り上げ背後に座る。そしてごしごしとヴァーシュの背中を洗い始めた。
「次はル・アージュね」
 浴槽からお湯をくみ、石鹸まみれの身体洗い流すヴァーシュがル・アージュのタオルを受け取る。そして自分の時と同じようにル・アージュの背中を洗い始める。

 そして数分後、着替えをすませ食卓に座る二人。
 ちょうど朝食のようで二人の前に暖かいシチューとパンが並べられた。見る限りクリシュナとネリスはもう朝食を済ませているようだ。
「たまには朝風呂もいいか・・・」
 クリシュナはやおら立ち上がり風呂場へと向かった行った。
「あたし達は御飯にしようか」
 シチューの食べ始めたル・アージュとヴァーシュ。あいかわらずフレアの料理はおいしい。
 二人が朝食を済ませるのに時間はそうはかからなかった。フレアは二人の食べ終えた食器をさっと回収すると、何も言わず厨房で洗い物を始めた。今に始まったわけではないが、無口なのは相変わらずである。
 女所帯の一日の始まりはだいたいこんな感じなのであった。
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  by lywdee | 2009-05-05 13:17 | Eternal Mirage | Comments(0)

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