Eternal Mirage(38)

 木漏れ日が優しく照らす昼下がり、スパノビのネリスはカートを引きながらセラフィーを訪ねに男所帯の家にきていた。
「セラフィーさーん、ネリスでーす」
 ドアをコンコンと叩くと中からセラフィーが現れる。
 セラフィーは今さっき起きたばかりなのか眠たそうにあくびをする。
「受け渡しの二便か」
「はい。装備と雑貨ですー」
 ネリスのカートの中身を確認するセラフィー。無言でメモ紙を見つめながら一つ一つ丁寧に物資を確認する。
「OK、間違いない。いまカートもってくるからちょっと待っててくれ」
 そういって自分のカートを持ち出し、ネリスから一つずつ物資の受け渡しをする。
「お前さんの武器、なんとかなりそうじゃないか」
 受け渡し最中にセラフィーがぼそっと声を漏らす。
「・・・え?!」
 突然の言葉に受け渡しする手が止まるネリス。
「ルシアさんから聞いてなかったのか? フェイヨンダンジョンでお前さんの使ってるチンクエディアを出すモンスターが出るって話だったぜ」
「ホント?! じゃあ私にも・・・」
「あぁ、特化武器の過剰できるんじゃね?」
 ネリスの顔に希望の火がついたように明るい笑顔が浮かぶ。
「よし! これで全部だ。ご苦労さん」
 荷物の受け渡しを終えたセラフィーは、おもむろにポケットからタバコを取り出し火をつける。
「セラフィーさん眠そうだね?」
「あぁ、一便で受け取った鉄鉱石やら石炭で一日中精錬してたからな。それに装備の過剰やらであまり寝てない。ついでにこれをルシアさんに渡しといてくれ」
 そういってセラフィーは工房からガードとシューズを持ち出してネリスに渡す。どうやらルシア用の過剰防具のようだ。
「じゃあまたなんかあったらこっちから顔をだすから、ルシアさんとクリシュナさんによろしくって伝えといてくれ」
「わかりましたー」
 無邪気に笑い女所帯の家に帰るネリスを見つめながら、セラフィーはプロンテラ西口に向かってカートを引いていく。

「ルシア叔母さん! 大口蛙がフェイヨンに出るってホントなの?!」
 家につくなりネリスが叫ぶ。
 ソファーで寝転んでたルシアが驚いたようにガバッと起き上がる。そして目の前にはネリスが詰め寄っている。
「セラフィーさんから聞いたんだよ! ねぇねぇホントなの?!」
「おちつきなさいな。私が行った限りでは蛙いたわよ。チンクエディア狙うならヴァーシュかルアにでも頼んだら?」
 はしゃぐネリスをなだめるルシア。それでもネリスは離れない。
「とにかく! 姉さんが調査に行ってくれないと、誰がそこ行くかは決まらないでしょうよ」
「でもでも、アタシも過剰装備ほしいんだもん!」
 ルシアは深いため息をついてネリスを隣に座らせた。
「私はあくまで情報を集めただけ、実地調査は姉さんがするし、あんたの過剰武器つくるなら姉さんがまた廃鉱行ってスケワカc用意しなきゃならないでしょうが」
 ネリスもクリシュナの性格を熟知してるだけあって、クリシュナの名が出たとたんおとなしくなった。
 手持ちの中型特化チンクエディアの過剰精錬が失敗したらまた若cが必要になるだけあって、予備のカードがない以上そんな危険も冒せないだけあって、ネリスも少しうなだれるしかなかった。
「まぁ焦らない事ね。今は資金稼ぎ優先なんでしょ? だったらなおさら我慢しなきゃ」
 ルシアの説得もあってようやく落ち着くネリス。でも過剰チンクエディアの願望は止まらない。

 そのころ男所帯では・・・。

「リューディー、騎士団行ってこい」
 さも当然のようにリューディーに狩りを頼むセラフィー。
「エルニウムか、わかったよ・・・、行ってくる」
「ついでにカードもな」
「期待するのはかまわんが、でるかどうかは知らんぞ」
 パラディンの鎧をまとうリューディー。ここ数日装備の過剰で大量にエルニウムが消費されたおかげで在庫がほとんどなくなったようだ。
 実際問題は資金面にも及ぶが、そちらはシル・クスに任されているのでリューディーはひたすらエルニウムを集める事を急かされてる。
「じゃあ行ってくる」
「エルニウムはお前が一番集めてるんだ。その辺よろしく!」
「はいはい・・・」
 話が長くならないよう早々に出かけるリューディー。
 最近過剰精錬で大量に消費されたエルニウムだが、男所帯でも女所帯でも過剰装備が必須になってきてるので、リューディーの背中には大きな期待が重くのしかかっているのが現状。
 それでもクルセ時代からエルニウムはリューディーが集めているのでこの辺は仕方ない感がある。騎士団はエルニウムが出やすいからなおさらだ。
「さて、ぼちぼち頑張るか・・・」
 颯爽とペコペコに乗るリューディー。彼の苦労は今に始まった事じゃないので、期待を背負ってGHは騎士団へと駆けていくのであった。

  by lywdee | 2009-09-15 14:07 | Eternal Mirage | Comments(0)

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