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Eternal Mirage(39)

 その日の朝、クリシュナを除く四人が食卓を囲みながらちょっと遅い朝食を取っていた。もちろんフレアは厨房の片隅で御飯を食べている。
「なんだか嬉しそうだね?」
 ルシアが隣で笑顔で朝食を食べているネリスに声をかける。
「ふぁたひのしんくえふぃあがえふぇにふぁいはっへふぇあふぃーさんふぁひってふぁって」
「食べてから言いなさい食べてから」
 ネリスの前にミルクを差し出したルシアに、それを飲み干し一息いれてもう一度答える。
「あたしのチンクエディアが手に入ったってセラフィーさんが言ってたの」
「それで元気なわけ?」
 ル・アージュが呆れ顔でネリスを見る。
「過剰するのはあんたの運しだいなんだから、完成するまで油断は禁物よ」
 自らも過剰装備を持つル・アージュがネリスの期待に水を差す。
 ヴァーシュのトライデントを除けば、ル・アージュの特化クレイモアはリューディーが過剰したものだし、フレアのアーバレストは自分で作っている。クリシュナの特化チェインだって露店で買ったものだ。過剰が難しいのはル・アージュもヴァーシュも身をもって知っているからなおさらである。
「それに、完成したらしたでクリシュナ叔母さんがまた廃鉱に篭るから、できるまではあまり期待しない方がいいわよ」
 ネリスに釘を刺すル・アージュ。自身の中型特化クレイモアも結局クリシュナによって完成したものだ。だからよけいにクリシュナに苦労をかけるのは気がひけるのである。
 ネリスもそれはわかっているが、チンクエディアが手に入ったことのほうが嬉しくてつい笑顔になる。
「できるといいね。過剰チンクエディア」
 物静かに朝食を摂っているヴァーシュが会話に入る。
「それにしてもネリス、よく食べるわね?」
「いいよねぇ、育ち盛りは。私たちなんか太らないか心配してるっていうのに・・・」
 愚痴をこぼすル・アージュに無言で頷くヴァーシュ。体型を気にするところが女の子らしい。
 クリシュナには「朝食はしっかり摂る事!」と言われているので黙って食べている二人。ルシアはあまり気にせず朝食を食べているがスタイルはいい方である。それが不思議でならないル・アージュ。
 そして朝食が食べ終わるとフレアが食器を片付けに入る。いつもの光景である。
「とにかく、装備が整うまでは金策でうごけないんでしょ? だったら自分達の武器でもしっかり手入れしときなさいな」
「はーい・・・」
 うつろな返事をするル・アージュは、ヴァーシュと共にカプラの倉庫に出むいって行った。
(どれ・・・、防具の様子でも見に行くか)
 ルシアはやおら立ち上がり男所帯の家に歩いていった。

「リューディー、エルニウム・・・」
「わかってるから急かすな! 今日も騎士団行くから黙って待っていろ!」
 パラディンの鎧を身にまといつつリューディーが叫ぶ。
 ここのところ防具の過剰が進んでいないせいか、リューディーは毎日グラストヘイムに出向いている。騎士団でエルニウムとカードを探しているようだ。
「できればレイドc、あと二枚はキープしたい」
「出ればの話だが一応覚えとくよ。じゃあ行ってくる」
 表に出てペコペコに騎乗すると、リューディーは振り向くことなくプロンテラ西門に向かっていった。
 それから数分と経たずにルシアが男所帯に訪ねてきた。
「どう? 過剰マフラーできた?」
「いや、物が少なすぎるのとエルニウム不足で進んでない。ホルグレンもあてにならないしな」
「まぁ急いでないけどね・・・」
 視線と口が別物のようにささって心が痛いセラフィー。
「ま、出来たら知らせて」
 踵を返してプロンテラ中央方面へと歩いていくルシア。どうやら図書館へと行く様子である。
(リューディー・・・、早くエルニウムと資金を調達してくれ・・・)
 セラフィーの心労はまだまだ続きそうである。

  by lywdee | 2009-09-22 09:32 | Eternal Mirage | Comments(0)

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