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Eternal Mirage(40)

「エルニウム400個じゃもたないってホントだったな・・・」
 荷物入れににいれてるエルニウムを見つめながらリューディーがつぶやく。
 セラフィーに足りないと言われ毎日のように騎士団に通っていたが、あまりの消費量にため息がこぼれる。
「2世帯分の過剰装備でこんなにも使うとは思ってもいなかったわ」
 ペコペコを走らせながら騎士団内でレイドリックやカーリッツバーグをひたすら狩る毎日が続いていたため、リューディーはただひたすらにGXによる狩りを続けていた。
(今頃セラフィーはルシアさんに問い詰められてるだろうな)

「私のマフラーまだぁ・・・?」
「エルニウムが足りないんだ。もう少し待っててくださいよ」
 冷めた視線で見つめられながら、セラフィーはしどろもどろに返答する。
 ここ最近、まるで日課のようにルシアが男所帯に顔を出してはセラフィーに問い続けられている。
「過剰装備作る以前にエルニウムもマフラーもまったく足りないんだ。しばらくは待っててもらわないと破産してしまうよ!」
 必死に説得するセラフィーにため息を返すルシア。
「まぁいいわ。とにかく私の装備、後はマフラーだけだから早めにお願いね」
 そう言い残し男所帯の家を出るルシア。
 セラフィーは小一時間問い詰められたせいか、どっと疲れが出て工房の椅子に座り込む。
(こりゃポリシーに反するが露店でエルニウム買わなきゃ間に合わんな)
 ポケットからタバコを取り出し火をつけそう思った矢先、玄関から一人のプリーストが入ってきた。渚 レイである。
「随分お疲れの様子で・・・」
「あぁ、レイか。おかえり」
「またルシアさんに急かされていたんですか? 先ほどすれ違いましたよ」
 レイの落ち着いた台詞にため息をつきながら頷くセラフィー。程なくリューディーも男所帯に帰ってくる。
「セラフィー、たいした収穫じゃないがカリツカード拾ってきだぞ」
 ヒラヒラとカードを見せるリューディーにやおら立ち上がりカードを受け取るセラフィー。
「これでまたマフラー収集とエルニウムが補充できるか・・・」
「その様子だとルシアさんがきたあとのようだな」
「あぁ、とにかくこれで資金ができそうだ。後はまたマフラー集めんとな」
 資材管理の担当者であるセラフィーに、少しだが笑みが戻る。それでも彼の苦労はまだ減る事はなかった。

 そのころ女所帯では・・・。

「ルシア叔母さん帰ってこないね?」
 ネリスがホットミルクを飲みながらフレアに尋ねた。
「ルシア様なら工房に寄ってから図書館へ行くとお聞きしましたわ」
 昼食を作りながらフレアが答える。
「どうせまた装備の催促にいったんでしょ。晩には帰ってくるだろうさね」
 珍しく家にいるクリシュナが髪をバスタオルで拭きながら食堂に顔をだす。どうやらお風呂に入っていたようだ。
 そしてネリスの対面に腰をおろし、バスタオルを首にかける。
「まぁ今は装備が整わないと狩りにも行かんだろうさね」
 その二人の前に焼きたてのパンケーキとサラダが出される。
「まぁセラフィーの苦労は減らないだろうさね・・・」
 ため息混じりにパンケーキを食べ始める二人。お財布係のネリスも苦笑いしながら食事を始めるのであった。

  by lywdee | 2009-09-29 12:44 | Eternal Mirage

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