Eternal Mirage(58)
「また分裂?! もぉやだよー」
半べそかきながらひたすら土精を狩り続けるネリスが、無常にも分裂していく土精相手にチンクエディアで頑張ってつつき続けていた。
運動不足にならないよう、暇を見つけては龍の城に通ってるのであった。
ルシアに作ってもらったコンバーターと、唯一自慢の中型特化チンクエディア。この二つを使って龍の城で土精を狩り続けるのがネリスらしいといえばネリスらしい。土精相手の狩りはネリスも充分かわせるし、取り立てて厄介な相手もいないのでたいした怪我もせずに狩りが出来ると言うものだ。
仮に怪我をしても、今のネリスにはヒールがあるので自分で治す事も出来るというのが利点でもある。女所帯で自力で回復できないのはル・アージュとフレアの二人だけだが、フレアはジオグラファーを狩っているのでたいして怪我もしない。ル・アージュだけが自力回復できないのが実情。なのでネリスはよくル・アージュの愚痴を聞かされている。
(コンバーターがなくなってきたなぁ・・・。またルシア叔母さんに作ってもらわないと・・・)
額に流れる汗を袖で拭いてカートの中のコンバーターに目をやる。非力なネリスにとって、唯一火力を上げるための秘策としてルシアに作ってもらったコンバーター。それがなくなるとまたモロクまで行ってサソリ狩りしなければならない。その辺がネリスとしては問題でもある。
(やっぱ過剰チンクエディアがほしいよー)
悲痛な叫びが胸を突く。だが肝心のチンクエディアを出す大口蛙を退治しに行きたくても、ホロンと言う厄介な相手がいるためネリス自身では探しに行けないのが事実。ル・アージュがソヒーcを狙ってフェイヨン地下洞窟に通っているものの、いまだチンクエディアが出たという話は聞いていない。
過去クリシュナが出したチンクエディアは何本かあったものの、その全てが過剰失敗という結果があるため、今度こそは過剰チンクエディアがほしいところである。ただ、作ったとしても今度はクリシュナのスケワカc探しが始まるので、いつになる事やら見当もつかない実情。ネリスの苦労は今だ拭い去れない。
一方、フェイヨン地下洞窟に通っているル・アージュはというと・・・。
「あー! ホロンうっとうしいー!!」
群がるホロン相手にプロボックを駆使しながら中型特化クレイモアを振り回す。どうやらこちらもホロンの処理に困っているご様子だ。
「・・・ていうか、なかなかカードもチンクエディアも出ないもんだねぇ・・・」
フェイヨン地下洞窟に通う事数日、ル・アージュもドロップ運がないことにため息をつかずにはいられない状況である。
別段ソヒーcがほしいわけではないが、かわせてなおかつ回復剤の元手が取れる狩場が少ないため、ル・アージュも狩場の選択肢が少ないのが現状。
とりわけ、ネリス用のチンクエディアが最低でも5本はほしいということなので、目に見える大口蛙はみな叩きつぶしてはいる。
ル・アージュの装備も、クリシュナからのお下がりで木琴マフラーを身につけそれほど怪我をすることもないのが唯一の救いである。
(チンクエディアはさすがにリューさんでも過剰できないからなぁ。ネリス自身の過剰運がないことを恨むわ)
そうは思っていても妹分であるネリスの装備を揃えてやりたいのもまた事実。少しの休憩を取ってまた狩りを始めるル・アージュ。自分やヴァーシュの装備が充実している分、ネリスのために出来る事はしてやろうという思いはあるようだ。
「あー! 早くまともな狩場に行きたーい!」
ル・アージュの悲痛な叫びは洞窟の中で反響して響き渡る。
そうしてこれからまた数時間、蛙とソヒーを狩り続けるのであった。
そして夕方。
「ただいまー」
疲れた声で玄関を開けるとクリシュナがル・アージュを出迎える。
「今日はどうだった?」
クリシュナの問に無言で首を横に振るル・アージュ。先に帰っていたネリスも残念そうである。
「まぁ急ぐ代物じゃないし、気長に狩り続けなよ。それと、風呂は沸いてるからさっさと入って疲れを落しなさいな」
「ホント?! じゃあそうする」
入り口で鎧を脱いで風呂場へと向かうル・アージュ。それを見てネリスも立ち上がり風呂場へとついていく。
「何? ネリスも一緒に入るの?」
「うん。たまには一緒に入ろうよ」
「ま、いいけどね」
こうして二人は風呂場へと消えていった。
それを見送ったクリシュナは軽いため息をついて思った。
(あたしもさっさとスケワカカード用意してやろうかねぇ・・・)
相変わらず姪には甘いクリシュナであった。
半べそかきながらひたすら土精を狩り続けるネリスが、無常にも分裂していく土精相手にチンクエディアで頑張ってつつき続けていた。
運動不足にならないよう、暇を見つけては龍の城に通ってるのであった。
ルシアに作ってもらったコンバーターと、唯一自慢の中型特化チンクエディア。この二つを使って龍の城で土精を狩り続けるのがネリスらしいといえばネリスらしい。土精相手の狩りはネリスも充分かわせるし、取り立てて厄介な相手もいないのでたいした怪我もせずに狩りが出来ると言うものだ。
仮に怪我をしても、今のネリスにはヒールがあるので自分で治す事も出来るというのが利点でもある。女所帯で自力で回復できないのはル・アージュとフレアの二人だけだが、フレアはジオグラファーを狩っているのでたいして怪我もしない。ル・アージュだけが自力回復できないのが実情。なのでネリスはよくル・アージュの愚痴を聞かされている。
(コンバーターがなくなってきたなぁ・・・。またルシア叔母さんに作ってもらわないと・・・)
額に流れる汗を袖で拭いてカートの中のコンバーターに目をやる。非力なネリスにとって、唯一火力を上げるための秘策としてルシアに作ってもらったコンバーター。それがなくなるとまたモロクまで行ってサソリ狩りしなければならない。その辺がネリスとしては問題でもある。
(やっぱ過剰チンクエディアがほしいよー)
悲痛な叫びが胸を突く。だが肝心のチンクエディアを出す大口蛙を退治しに行きたくても、ホロンと言う厄介な相手がいるためネリス自身では探しに行けないのが事実。ル・アージュがソヒーcを狙ってフェイヨン地下洞窟に通っているものの、いまだチンクエディアが出たという話は聞いていない。
過去クリシュナが出したチンクエディアは何本かあったものの、その全てが過剰失敗という結果があるため、今度こそは過剰チンクエディアがほしいところである。ただ、作ったとしても今度はクリシュナのスケワカc探しが始まるので、いつになる事やら見当もつかない実情。ネリスの苦労は今だ拭い去れない。
一方、フェイヨン地下洞窟に通っているル・アージュはというと・・・。
「あー! ホロンうっとうしいー!!」
群がるホロン相手にプロボックを駆使しながら中型特化クレイモアを振り回す。どうやらこちらもホロンの処理に困っているご様子だ。
「・・・ていうか、なかなかカードもチンクエディアも出ないもんだねぇ・・・」
フェイヨン地下洞窟に通う事数日、ル・アージュもドロップ運がないことにため息をつかずにはいられない状況である。
別段ソヒーcがほしいわけではないが、かわせてなおかつ回復剤の元手が取れる狩場が少ないため、ル・アージュも狩場の選択肢が少ないのが現状。
とりわけ、ネリス用のチンクエディアが最低でも5本はほしいということなので、目に見える大口蛙はみな叩きつぶしてはいる。
ル・アージュの装備も、クリシュナからのお下がりで木琴マフラーを身につけそれほど怪我をすることもないのが唯一の救いである。
(チンクエディアはさすがにリューさんでも過剰できないからなぁ。ネリス自身の過剰運がないことを恨むわ)
そうは思っていても妹分であるネリスの装備を揃えてやりたいのもまた事実。少しの休憩を取ってまた狩りを始めるル・アージュ。自分やヴァーシュの装備が充実している分、ネリスのために出来る事はしてやろうという思いはあるようだ。
「あー! 早くまともな狩場に行きたーい!」
ル・アージュの悲痛な叫びは洞窟の中で反響して響き渡る。
そうしてこれからまた数時間、蛙とソヒーを狩り続けるのであった。
そして夕方。
「ただいまー」
疲れた声で玄関を開けるとクリシュナがル・アージュを出迎える。
「今日はどうだった?」
クリシュナの問に無言で首を横に振るル・アージュ。先に帰っていたネリスも残念そうである。
「まぁ急ぐ代物じゃないし、気長に狩り続けなよ。それと、風呂は沸いてるからさっさと入って疲れを落しなさいな」
「ホント?! じゃあそうする」
入り口で鎧を脱いで風呂場へと向かうル・アージュ。それを見てネリスも立ち上がり風呂場へとついていく。
「何? ネリスも一緒に入るの?」
「うん。たまには一緒に入ろうよ」
「ま、いいけどね」
こうして二人は風呂場へと消えていった。
それを見送ったクリシュナは軽いため息をついて思った。
(あたしもさっさとスケワカカード用意してやろうかねぇ・・・)
相変わらず姪には甘いクリシュナであった。
by lywdee | 2010-02-02 12:09 | Eternal Mirage