Eternal Mirage(107)

「ヴァーシュもついにオーラロードかぁ・・・」
「何ため息ついてんのよ? 明日はわが身でしょ」
 食卓のテーブルに突っ伏してるル・アージュにクリシュナが言う。
 ヴァーシュはというと今日も兄貴村東の谷へと狩りの追い込みに出かけている。
「あんたもロードナイト目指しているんでしょ? もう少ししっかりしなさいな」
「そうなんだけど・・・、先は長いなぁ・・・って」
「まぁ今のあんたじゃ追い込みも何もないか」
 クリシュナの一言にル・アージュはうなだれる。ル・アージュ自身もまだハイオークを狩り続けられる自信はない。
 ル・アージュがそうして突っ伏している手前にそっと紅茶が出される。フレアが淹れたものだ。
 クリシュナも食卓について紅茶を口にする。そうして力のない表情で紅茶を飲むル・アージュを見て「ふぅ」とため息をつく。
「私もオーラロードの時は結構時間かかったわねぇ。まぁ資金稼ぎのためにずっとスリッパ狩ってるうちに発光した思い出があるわぁ」
 ふとモンク時代を思い出すクリシュナであったが、ル・アージュの耳には入らなかったようだ。
「とりあえずジオでもつついてればぁ?」
 居間から読書中のルシアの声が聞こえる。
「ただいまー」
 その直後、龍の城に狩りに行っていたネリスが元気よく玄関から現れる。そしていそいそと上着を脱いで待っていたフレアに手渡す。
「ヴァーシュ姉はまだ狩りなの?」
「そうよ、それよりも寒いでしょうよ。はやく着替えるなり風呂入るなりしてきなさいな」
「はーい」
 クリシュナに言われ2階の自室に戻っていくネリス。どうやら少し機嫌がいいようだ。
「・・・で、いつまで突っ伏してるつもり?」
 ネリスとは対照的に落ち込んでるル・アージュに声をかけるクリシュナだったが、ル・アージュにしてみれば元気出せと言われても空元気すら出てこないようだ。
 しみじみと紅茶を口にするル・アージュだが、さすがに答えが出ない自分の狩場にいらいらしてきたのか急に立ち上がった。
「ジオつついてくる」
 そう言うと自室に戻って鎧を身にまとい出かけるル・アージュ。
 東門カプラ職員の倉庫サービスから火槍を受け取ると、アルデバランへ転送してもらい、普段ルシアが出かけているジオ群生地にペコペコを走らせて行った。

 その頃ヴァーシュは・・・。

「いったい何匹倒せば発光できるんだろう・・・?」
 兄貴村東でハイオークを狩り続けながらペコペコを走らせていた。
 父親に言われたように視野を広げ、囲まれないように各個撃破しながら大型特化トライデントを振り回していく。
 立ちはだかるオークアーチャーの矢をさばきながら、時に中型特化トライデントに持ちかえしたり、オークヒーローから逃げ出したりしながら安定した狩りをしていた。
 ここは人気の狩場らしく、ナイト系やブラックスミスがまとめ狩りしていく様を見て、遭遇率が減ってしまったところでペコペコの足を止めた。
「今日はこの辺にしとくかな」
 そう言って彼女は懐から蝶の羽を取り出しプロンテラまで飛んでいった。
 プロンテラにつくと、カプラ職員に戦利品を預け、女所帯の家までのんびり帰っていく。そんな折、背後からヴァーシュの名を呼ぶ声が聞こえた。振り向けばそこには、槍を持ったル・アージュが疲れた表情でペコペコにまたがっていた。
「どうしたのルア? 狩りに行ってたの?」
「うん、ちょっとね。ストレス発散にジオつついてきた」
 ル・アージュはそう言いながら一枚のカードをひらひらとヴァーシュに見せた。
「まさかジオグラファーカード? 初めてじゃないの、カード出たの?」
「そのまさかなんだけどね。どうしたもんだろうか? ってね・・・」
「今はだいぶ値段下がってるらしいものね、それでもよかったじゃない、初めてなんでしょ?」
「うん・・・、でも素直に喜べない」
 ヴァーシュとル・アージュは、ペコペコを並走させながら家路へと向かう。そして厩舎にペコペコをつなぐと「ただいまー」と力なく女所帯へと入っていった。
「あら2人とも、おかえり。もうじき夕飯よ」
「クリシュナ叔母さん、ネリスは?」
「あの子ならお風呂に向かったばかりよ。何? 先に風呂にでも入るの?」
「うん、そうする。汗いっぱいかいちゃったからちょっと気持ち悪い」
 そう言いながら鎧を脱ぐ2人。確かにシャツが透けるほどの汗をかいた跡がくっきりとわかる。
 そのまま2人はネリスの入っているお風呂場に入っていくとネリスが鼻歌交じりで浴槽に浸かっていた。
「あ、姉姉おかえり」
「ただいま。一緒に入らせてもらうわよ」
 言うが早いかそのまま浴槽に入るル・アージュ。ヴァーシュは手桶でお湯を体にかけ、そのままタオルに石鹸をつけていく。
「ヴァーシュ姉背中洗ってあげるお」
「あら、ありがと」
 浴槽から立ち上がりヴァーシュの背中を洗い始めるネリスを見て、ル・アージュも浴槽から立ち上がり、タオルに石鹸をつけてネリスの背中を洗い始める。こうした風景は女所帯ではよくあることで、傍から見れば仲の良い姉妹に見える。

 数分後、お風呂から上がると脱衣場にはヴァーシュとル・アージュの下着とバスタオルが用意されていた。もちろんフレアの機転である。
 3人が着替えを済ませ、食卓につくとルシアも読書をやめ食卓へとついた。
 今日の晩御飯はミートソースのパスタとスープであった。特にスープは野菜よりもお肉が多めに入ったスタミナのつきそうなボリュームがある。オーラロード中のヴァーシュの体力向上を考えて作ったものらしい。
「オーラロード中はかなり体力使うからね、しっかり食べて休みなさいな」
 オーラロード経験者のクリシュナの台詞にヴァーシュはうなずく。とにかく疲れているので食事はしっかり摂らなければいけないのはよくわかった。
 そんなこんなでヴァーシュのオーラロードは始まったばかりなのであった。
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  by lywdee | 2011-01-11 16:49 | Eternal Mirage | Comments(0)

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