Eternal Mirage(109)

「アスコット、久しぶりじゃない」
「やぁ姐さん。お久しぶり。なんでもうちのギルドに新規加入者が来るって聞いて顔出しにきました」
 クリシュナはギルドの溜まり場にて久しぶりに顔出しに来たアスコットを捕まえていた。
 理由は特にないが、クリシュナのいるギルドに入りたいと言う新人さんに顔見せにきたついでもある。
 新人さんの自己紹介が終わるとアスコットは口火を切って質問攻めに入っていった。
「君はWizになるの? それともセージ?」
 紅南が連れてきた女マジシャンに質問しているようではあるが、彼が話すとナンパにしか聞こえない不思議さに、クリシュナは自然とため息がこぼれる。
「君の好きなものは何?」
 今度は新人ハンターの女の子にも色々と質問していく。
「節操がないわね、相変わらず・・・」
 他のギルドメンバーの冷たい視線に気にするわけでもなく、会話をしていくアスコットの様子を見てクリシュナは(ル・アージュには言えないわね。こんな事・・・)とひそかに思った。
 かくして2人の新人さんが入ったのだが、クリシュナは当分の間新人育成に力を貸すことはできないだろうなぁと思った。
 確かにギルドメンバーを大事にしたいところであるが、今は人のことより身内のオーラロードの方を優先したいので、クリシュナとしては身内にさく時間の方を大事にしたいのが本音である。
「じゃあ私は家に帰るわ」
『お疲れ様ー』
 ギルドの一行に見送られ女所帯へと帰るクリシュナ。

 その頃、女所帯では・・・。

「ただいまー」
 元気よく女所帯へと入るネリスとル・アージュ。どうやら買出しに出かけていたらしい。
「あれ? ルシア叔母さん、ヴァーシュは?」
「んー? 寝てるんじゃないの?」
 居間のソファーで紅茶を飲みながら軽く返事をするルシア。
「昼寝か・・・。そっとしとくか・・・」
 ル・アージュは買ってきた食物を食卓のテーブルに置いて、騎士の鎧を身にまとい始める。
「ルア姉何処行くの?」
「ラヘルよ。そろそろ氷も新しくしたいだろうからねぇ」
「お手数かけます・・・」
 フレアが食材を整理しながらル・アージュに頭を下げる。
「じゃあ行ってくるわ」
 ドン!
「いったーい?!」
「それは私の台詞よ!」
 ル・アージュが勢いよく外に出ようとした瞬間、ギルドの集会に出ていたクリシュナと鉢合わせになりぶつかってしまった。
「そんなに急いで何処行くつもりなのさね」
「あ・・・、クリシュナ叔母さん。ごめん、ラヘルに行こうとして・・・」
「はいはい、気をつけていってらっしゃい」
 立ち上がり服についた埃を払うクリシュナ。
「今度はゆっくり出て行ってね」
「ごめん・・・」
 ル・アージュとすれ違い家に入るクリシュナ。ル・アージュも静かに出て行って厩舎のペコペコにまたがり出かけていった。
「お帰りなさいませクリシュナ様」
「ただいま。私にも紅茶淹れてくれる?」
「かしこまりました」
 フレアが紅茶の用意をすると、居間の方からルシアが「私にも頂戴」と声をかける。ネリスはネリスでクリシュナの横に腰を下ろしてクリシュナを見つめていた。
 数分後、淹れたての紅茶がクリシュナ、ルシア、ネリスへと用意されてティーカップに注がれていく。
「ルシア、ヴァーシュは?」
「多分寝てる」
「そっか、オーラロード中だしね。疲れもするか・・・」
 紅茶を口にし、クリシュナはティーカップを持って居間にいるルシアの前に腰を下ろした。
「私が狩り行くとなると何処がいい?」
 不意の質問にルシアは本を読むのをやめ、クリシュナと視線を合わす。
「姉さんが本気で狩りに行くなら、異世界ね」
「・・・で?」
「ピンギキュラ狩ってれば少しはマシかと・・・」
「ふぅん・・・。今度試してみるわ」
 紅茶を一気に飲み干し空のティーカップをフレアに渡すと、クリシュナも自室へと向かっていった。
「私も少し寝とくわ」
 軽く背伸びをして自室に入るクリシュナ。どうやら本当に寝るつもりでいるようだ。
「ネリス、あんたもすることなければジュノーまで付き合ってくんない?」
「いいよー」
 そうしてルシアは大量の本をネリスのカートにどんどん積んでいく。そして二人揃ってジュノーまで出かけていくのであった。
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  by lywdee | 2011-01-25 12:11 | Eternal Mirage | Comments(0)

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