Eternal Mirage(115)

 春を迎えたプロンテラ。
 女所帯では、フレアを中心に衣替えの準備でいそしんでいた。例年のごとく納戸と自室を往復するヴァーシュら若い衆を見ながら、衣替えを済ませたクリシュナはため息をつきながら居間のルシアとソファーに座っていた。
「若い子は服が大量で大変だねぇ」
「おしゃれしたい年頃なんだから仕方ないんじゃない」
 ルシアは相変わらず本を読みながら答える。
「それより姉さんこそ3次職になる予定たってんの?」
「私? そうねぇ・・・、考えてはいるけどまだまだこのままでいるつもりよ。あんたこそどうすんのよ? いつまでも家で本ばっかり読んでいないでたまには狩りにでも行ったら?」
 紅茶を飲みながら姪たちの衣替えの様子を眺め、2人はしばし黙ってくつろいでいた。

 衣替えは昼ごろには終わり、いつもどおり疲れきった若い衆3人は食卓でホットミルクを飲んで休んでいた。
「あんた達、もう着れない服とかあるんじゃないの?」
 居間からクリシュナの声が響くと、しばし沈黙が食卓に訪れる。
「あとで全員確かめてみなさいな。虫とか食ってるかもしれないわよ」
「はーい」
 ル・アージュらの気の抜けた返事が返ってくると、クリシュナとルシアも食卓についた。
 フレアが厨房に立ってしばらく経っているが、食卓にはすでにいい香りが充満している。もうじき昼ごはんが出てくることだろう。
「ネリス、あんたは成長期なんだから着れない服とかでてきてるんじゃない?」
「かもしれない」
 そうこうしているうちにフレアが昼食を食卓に並べていく。今日のお昼はチキンカレーのようで、ナンとサラダも用意された。
 ちょっと遅い昼食ではあったが、衣替えで疲れた若い衆にはちょうどいい時間でもあった。

 昼ごはんが終わると若い衆三人は、揃って私服のチェックに入ってきゃっきゃと騒いでいる。居間にいるクリシュナとルシアは「賑やかだねぇ」と紅茶を飲みながら昼下がりを過ごしている。
 それから数十分後、ネリスが私服姿で降りてきた。
「あら、かわいいじゃない・・・。ってどこかで見たような・・・?」
「ヴァーシュ姉からもらった」
 白いワンピース姿でくるっと回ってみるネリス。どうやらお下がりのようであるが、ネリスは嬉しいらしい。
 そんなこんなで衣服チェックを済ませた若い衆3人。どうやら整理がついたらしい。
 着れなくなったもの、虫に食われたもの、捨てる服などが居間に運ばれてくる。特にネリスはクリシュナの予想通りサイズが小さくなったものが多かった。
 そんなネリスはヴァーシュとル・アージュの着れなくなった服から何着か再利用できるものを探していた。
「これなんてまだ着れるんじゃない?」
 ネリスのお下がりになる衣服をルシアも探してみる。何着か試してみてはいるがネリスの気に入る服はそれほど多くなかった。
 フレアはフレアで虫食いの服を仕分けして処分の準備をしている。こっちはそれほど数はなかったが、ヴァーシュとル・アージュの私服はかなり痛んでいた。さすがにネリスも選ばない服なので、ネリスの着れない服とまとめて処分することにした。
 衣服の整理が終わると、日はだいぶ傾き夕方が近づいていた。ヴァーシュとル・アージュは夕食前にお風呂に入ろうと風呂焚きの準備を始めていく。ネリスはフレアとともに食材の買出しに出かけ、クリシュナとルシアはまた居間でくつろぎ始めた。

 夕方、一番風呂にクリシュナとルシアが揃ってはいっていた。話題はやっぱりルシアとル・アージュ、どちらが先に発光するかである。
 ルシアは怪訝そうに聞いてはいるが、いい加減狩りにもでかけなきゃとも思っているようだ。
 クリシュナにしてみれば、いつまでも狩りに出かけないルシアと、狩場が定まらないル・アージュの発光を楽しみにしているようではあるが、こればかりは強要できないので少々もどかしい。
 自身も現在狩場を検討中なので、修羅になることをためらってもいるので強くは言えない。
 2人がお風呂から上がると今度は若い衆3人が入れ替わりでお風呂に入っていく。
 お風呂から上がれば家族揃っての夕食になる。今晩はお昼の残りのカレーである。
「ルア、あんたももう少しジオ狩り真剣に考えてみたら?」
 クリシュナはしばらく狩りに出ていないル・アージュのことを心配している。
「んー・・・、私はヴァーシュが落ち着くまでおとなしくしてようと思ってる」
「ちゃんと考えてるならいいけど、運動不足にはならないようにしてよね」
「はーい」
 気の抜けた返事を返すル・アージュにため息一つこぼすクリシュナ。
 ル・アージュはヴァーシュがパラディンになって以降狩りに対する意識がちょっと変わってきたようである。
「まぁ私は気長に狩りしていくよ」
 ル・アージュはカレーを食べながら返事を返すのであった。

 はたして次の発光者が誰になるのか、まだまだクリシュナの心労は減らないことは確かであった。
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  by lywdee | 2011-03-08 11:49 | Eternal Mirage | Comments(0)

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