Eternal Mirage(128)

 初夏の装いを見せるブラジリス。女所帯は今、揃いも揃って南国ブラジリスに海水浴に来ていた。
「夏だねぇ・・・」
 パラソルの下サングラスをかけて砂浜に寝転がるクリシュナ。鍛錬の賜物の体にビキニをつけてもスタイルはよくとても40代には見えない。
 それと別に、ネリスのカートに積まれた本を読んでいるルシアは、水着も着ないでセージの格好でパラソルの下、読書にいそしんでいる。
 水着姿でないのはフレアも同じ、砂浜にひいたシーツの上にバスケットを並べて海を見ている。
 波打ち際でひとしきり遊んだル・アージュら3人は、お昼ご飯を食べにクリシュナらの元へ戻ってきた。
「おなかすいたー」と、ネリスがフレアの元へ近寄る。そしてバスケットの中からサンドウィッチを取り出してはパクパクと食べていく。
 何故彼女らがブラジリスにきたかというと、ただ単純に暑いということで、それなら海水浴がてらブラジリスに観光に行こうとクリシュナが決めたからである。
 燦燦と照りつける太陽の下、若い衆3人は気分転換に泳がせて自分らは浜辺で潮風を浴びている。そんなクリシュナにルシアは言った。
「姉さんは泳ぐ気あるの?」
「ちょっとは泳ぐつもりよ。鍛錬になるしね」
 そう言ってサングラスをはずすと、クリシュナも姪に混じって昼ごはんを食べ始めた。

 昼下がりはみんな揃ってブラジリスの観光に出かける。フレアとルシアは浜辺で待ってると言ってクリシュナら4人は町まで出かけていった。
「フレア、あんたは泳がないの?」
「私ですか? 私は水着持っていませんので・・・。ルシア様はどうなのですか?」
「私は泳げないのよ」
 姪達がいないので本音を話すルシア。運動オンチなところを姪達には見せたくないらしい。
 小一時間観光に出て行ったクリシュナらが戻ると、クリシュナは変なヒドラで遊んでいる姪達をよそに一人海水浴を始める。海水浴とは言ってもどちらかと言えば潜水で肺活量を鍛えているようにも見える。

 夕暮れが近づいてきた頃、クリシュナはみんな揃ってることを確認し、ワープポータルを出しプロンテラへと帰っていった。
 女所帯につくとクリシュナら4人は普段着に着替え、若い衆はお風呂のそしてフレアは夕食の準備を進めていく。
 そうこうしてお風呂の準備が終わった若い衆は3人揃ってお風呂へと入っていった。
 フレアは夕食の準備の合間に4人分の水着を洗っては居間の片隅に干していく。ルシアとクリシュナはフレアが淹れたハーブティーを飲みながらその様を見つめていた。
「結局あんたはカナヅチのままか」
「今更泳げるようにもなっても仕方ないでしょ?」
「それもそうだ」
 たわいない姉妹の雑談が終わる頃、若い衆3人はお風呂から上がってきた。それを見てクリシュナはルシアを伴いお風呂場へと向かって行く。
「いい湯だったね」
 ネリスが食卓につきながらヴァーシュ、ル・アージュに声をかける。
「さっぱりしたわ」
 ル・アージュもバスタオルで髪を拭きながら食卓へつく。ヴァーシュにいたっては席へつくなり髪を梳かし始める。
 その3人にもフレアはハーブティーを用意し、物静かに厨房へと戻っていった。
 そして夕食の時間。今日はパンとあっさりした肉入りスープが用意された。
「あんた達、たまに泳いだ感想はどうなのよ?」
「楽しかったお」
「涼しかったね」
 めいめいブラジリスの感想を述べながら夕食は始まった。ただ、ルシアだけは何も言わず夕食を食べている。
「また機会があれば連れて行くからね」
 クリシュナはそう言ってルシアの顔を見る。当然ルシアは視線を避けている。 
 そして夕食後、若い衆3人は疲れたのか早々に自室に戻って眠りについた。残されたクリシュナとルシアは居間でハーブティーを飲みながらソファーでくつろいでいる。
 何を話すわけでもないが、2人は黙って向かい合っていた。
 それから小一時間、会話もなくただ向かい合ってた2人だったが、堰を切って声をかけたのはクリシュナだった。
「ルシア、そろそろ寝るわよ」
 飲みきったティーカップを置くとルシアも本にしおりをたて閉じる。
「フレア、お疲れ」
「おやすみなさいませ、クリシュナ様、ルシア様」
 そうして自室に戻って行く2人の姿を見送ると、フレアはようやくお風呂に入って行った。
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  by lywdee | 2011-06-07 15:39 | Eternal Mirage | Comments(0)

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