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Eternal Mirage(132)

 例年どおりの暑さを迎えたプロンテラ。街は薄着の若者が闊歩して、日に焼けた者が多く見受けられる。そんな中、季節問わず暑い所がプロンテラには散在している。それはブラックスミスやホワイトスミスらが生活している所である。
 BS「セラフィー」が生活している男所帯も例外には含まれていない。毎度の事ながら男所帯の工房で今日も携帯溶鉱炉と格闘していた。
「この暑い中よくやるねぇ」
 ロイヤルガードの「リューディー」が工房の端っこの椅子を反対向きに腰掛け、背もたれに両腕を交差させセラフィーを見ている。
「鉄は多いに越したことはないからな、クリシュナさんが廃鉱で資金調達始めたから、いつ石炭もらうかわからないし、鋼鉄はいつでも作れるようにしたいところだ」
 額の汗を拭いながらも鎚打つ手を休めないセラフィー。
「で、話ってなんだ?」
 なかば嫌そうにセラフィーに尋ねるリューディー。こういうときはたいていいい話ではないと知っているから怪訝そうな面持ちで返事を待つ。
「お前さん向けの仕事があるんだが協力してもらえんかね」
「私に何をしろと?」
「ピラミッドダンジョンでマミーcを2枚調達してもらいたい」
 やっぱり・・・といった答えにため息をつくリューディー。
「あんまりピラミッドダンジョンとは相性よくないんだがな」
「資金さえあれば露店で調達してもいいんだがな、クリシュナさんの資金繰りはいつになるかわからないし、うちらで資金調達となるとお前さんかシル・クスに頼まなきゃいけないんでね、そうなるとシル・クスに必要な武器を用意しないと始まらないんだ」
「デモパン対策か・・・」
「そういうことだ」
 リューディーはその返答にため息で返す。シル・クス用の武器は別にかまわないのだが、カード狙いの狩りともなるとそう簡単に答えることはできない。ただでさえ自分の武器も過剰待ちなので、贅沢は言ってられない。
 自分の武器も今は予備がないと過剰もできないので、資金繰りが進まないと買うこともできない現状なのでどうにかしたいとは思っているが、さすがに二つ返事で返すことはできない。
「クリシュナさんもカード狙いの狩りをしてはいるけど、始まったばかりだしどうせならまとめて売りたいらしいから、しばらくは金にはならんだろう」
「・・・で私がマミーc出せと言いたいのか?」
「お前さんにしかこういうことは頼めないし、シル・クスがマミーc狙うのは少々心もとない」
「まぁ今のところ急ぎの狩りはしていないからいいけどさ、期待はせんでくれよ」
 そう言うなりロイヤルガードの鎧を身にまとい始めるリューディー。なんだかんだ言っても適材適所の狩りとなれば文句も言っていられない。
「じゃあちょっくら行ってくらぁ」
「頼んだぜー」
 そうしてリューディーはピラミッドダンジョンへと向かって行った。
「はてさて、騎士団でのカード運がピラミッドダンジョンでも発揮してくれればいいのだけれど・・・」
 そう言ってセラフィーはリューディーを見送ると、再び鎚を持って溶鉱炉と対峙するのであった。

  by lywdee | 2011-07-05 06:02 | Eternal Mirage

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