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2011年 09月 27日 ( 1 )

 

Eternal Mirage(144)

 焼けつく太陽、遠くに見える蜃気楼、ここはソグラト砂漠、季節に関係なく灼熱の太陽が照りつける乾燥地帯。この大地に1人のスーパーノービス「ネリス」が狩りをしていた。
 自分で使うコンバーターは基本自力採取であるため、モロクから少し離れたこの砂漠で彼女は蠍の尻尾を集めていた。
「ふぅ・・・また痩せちゃうのかな? 私・・・」
 水筒の水を飲んで自分の胸に視線をやるネリス。汗でにじんだ服は下着をくっきりと映し出している。他にも日焼けした腕を見つめたり太ももに視線を移したりするが、この熱い日差しの中、肌の露出している部分の日焼けは容赦なくネリスの肌を小麦色に焼いていた。
 時折通過するオアシスでは、タオルを濡らして首に巻きつけ少しでも涼を取るのだが、この気温ではすぐに乾いて汗だけが吸い取られていく。
「これで1セット作ってもらえる。帰ろうか」
 カートの中の蠍の尻尾の数を確認すると、ネリスは蝶の羽を使いプロンテラへと飛ぶのであった。

 プロンテラ東門前に現れた時には雨が降っていた。
 ネリスは急ぎカプラ職員に倉庫を開いてもらい、以前買い置きしていた空のスクロールを100枚受け取る。そして取り急ぎ女所帯へと帰っていく。
「ただいまー」
 玄関に入りカートを中に入れると、ネリスは濡れて脱ぎにくくなっているスパノビの服を急いで脱いで下着姿になる。そして玄関にあらかじめ用意していたバスタオルに隠した下着を手に、急いでお風呂場へと駆け込んでいく。狩りに出かけたあとのお決まりである。
「ふぅ・・・生き返るー」
 綺麗さっぱり体と髪を洗って湯船に浸かると、今日の疲れが洗い流されていく。
 そうして1人風呂を堪能した後、風呂上りにフレアの用意してくれたアイスティーをもらう。
「ルシア叔母さん、コンバーター作ってくださいな」
「んー、いいわよ。材料テーブルの上に置いといて。後で作るから」
 居間のソファーで読書にいそしんでるルシアは、本から視線を移すことなくネリスに告げる。
 材料を用意すると、ネリスはアイスティーを口にする。火照った身体に染み渡るようで、ひんやりおいしく感じられる。
 後は空っぽになった水筒をフレアに手渡し、バスタオルを頭に乗せたまま2階の自室へと戻っていく。
 数分後、普段着に着替え、口で櫛を挟みながら居間に戻ってくると、バスタオルで髪を拭きながらルシアの前に腰を下ろした。
 バスタオルの回収も兼ね、居間にポットを手にしたフレアが現れると、ルシアとネリスのティーカップに今度は温かい紅茶が注がれていく。そして戻り際にネリスのバスタオルもしっかり回収されていった。
 ネリスは口にくわえていた櫛を手に赤く長い髪を丁寧にすいていく。そんなネリスの視線に気づいたのか、ルシアは本にしおりを立て、目の前の材料をコンバーターへと変えていく。
 だいたい半分ぐらい出来上がった頃だろうか、「ただいまー」とル・アージュとヴァーシュが帰ってきた。雨が本降りになってきたのだろうか、2人はかなり濡れて帰ってきた。
「フレアー、お風呂沸いてるー?」
 ル・アージュが厨房のフレアに尋ねると、「はい」と一言だけ返ってくる。それを確認すると、ル・アージュとヴァーシュはそれぞれの部屋へと戻り、着替えを用意してお風呂場へと消えていく。
「ネリス、できたよ」
「ありがと叔母さん」
 ルシアから手渡された火属性コンバーター100枚を手にしたネリスは、「ふふふふ・・・」と微笑むと手にしたそれをカートに乗せる。
 すると今度はクリシュナが「ただいまぁ」と帰ってきた。めぼしい収穫はなかったようで、肩を落としての帰宅である。
「姉さん、風呂なら今ヴァーシュたちが入ってるわよ」
「あ、そ・・・」
 しおりを挟んだ本を開きながら、ルシアはクリシュナと視線を合わすことなく話しかけた。クリシュナも妹の性格は把握しているので、それ以上は何も聞かずとりあえずわずかな埃をはたいて落とし、食卓のいつもの席へと腰を下ろした。
 髪を梳かし終えたネリスは、ぬるくなった紅茶を飲み干し立ち上がり食卓についた。
「クリシュナ叔母さんは今日どこに行ってたの?」
「私かい? ずっとスフィンクスダンジョンよ。ブリーフばっかりで気持ちがなえちゃったわ」
 ため息とともに頬杖をつくクリシュナ。そこへフレアが淹れ立ての紅茶を持ってくる。
「廃鉱並みにドレインリアーがいればいいんだけどね、数が少なくて効率悪いのよねぇ」
 紅茶を飲みながら愚痴をこぼすクリシュナ。ネリスはただ「ふぅん」と聞いている。
 そんなネリスのティーカップにも紅茶のおかわりが注がれていく。もちろんルシアのティーカップにも注がれていく。
「はぁ・・・、私ってやっぱり廃鉱の方が相性いいみたいだわ」
「・・・」
 今更ながらクリシュナの言葉に声の出ないネリス。荷物もちとしてつき合わされなくなったとはいえ、クリシュナの廃鉱での狩りはもはや自他共に認めるカード狙いの廃な狩りである。結果が残っているだけあって言葉が重い。
「あ、叔母さんおかえり」
 そうこうしているうちに先にお風呂に入っていた2人が居間に戻ってきた。
「お、お風呂空いたか。じゃあ先にお風呂入るか・・・」
 入れ替わりでお風呂に入るべく自室へと戻るクリシュナ。ル・アージュとヴァーシュに紅茶を用意していたフレアがそれを見て夕飯の支度を始めていく。
「ネリス、焼けたね・・・」
「うん・・・。でもちょっとやだ」
 ヴァーシュがネリスを見て呟いたが、ネリスとしてはヴァーシュのように白い肌の方がいいと思っている。が、コンバーターの作成上どうしても砂漠に出向くことになるのでこればかりは避けて通れない道にいる自分がもどかしい。
「それにしても雨ひどいねぇ」
「秋の天気は変わりやすいから・・・」
 紅茶を口にするル・アージュとヴァーシュ。窓を見つめると風も出てきたようで植木がかなりしなって見えるほどである。
「明日は嵐かな?」
 ル・アージュの予想はさておき、厨房からはいいにおいが食卓まで届いてくる。どうやら今夜はカレーのようである。
 それから数分後、クリシュナがお風呂から上がってきたところで女所帯は夕飯時を迎えたのだった。

  by lywdee | 2011-09-27 12:29 | Eternal Mirage | Comments(0)

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